トップチーム編成事業を除くと、愛知スポーツ倶楽部が一番推進していきたい事業がこの指導者派遣事業です。表示灯ホッケーチーム時代を含めると、すでに25年間、日本有数の強豪チームがこの愛知県に、名古屋市にありながら、この強さを普及に行かせていなかったという反省から、現在では一つずつこの地域に根を張る活動を行っております。ホッケーのトップ選手として活躍できる年齢はせいぜい32〜33歳ころまで。毎年必ず選手を補強しているフラーテルは、それだけ毎年勇退選手が出ているということになります。この勇退した選手たちを活用しない手はありません。また、勇退した選手たち自身も、ホッケーから全く関係の無い生活を送ることも違和感が残っていると思います。ということは、トップレベルを経験した選手たちがこの地域にはたくさんいるということなのです。
さて、今日ご紹介するのは、名古屋工業高校に派遣している、境吉久氏です。境氏は昭和42年生まれの43歳。奈良県の出身で名門天理高校でホッケーを始め、京都の同志社大学に進学しインカレや関西学生リーグ等で活躍。卒業後もホッケーに関わりたいと考えていた境氏は、表示灯の門を叩かれました。そのころは、表示灯ホッケーチームも全日本選手権を制覇し始めたころで、国内3冠といわれる偉業を達成したころでした。その後3年間、表示灯ホッケーチームの一員としてチームを支えてこられたわけです。現在、名古屋工業高校を指導していますが、その様子を見ると非常に厳しい。しかし、選手と一緒になってグランドに出て、的確に指示を出しながら高校生をリードしています。彼の指導は、基本に忠実に正確性を重んじ、隙を見せない。従って指導内容は、基本練習が非常に多いです。また、その場での判断が必要なホッケー競技ですから、高校生が行ったプレーについて、なぜそうしたのかという問いかけをしながら、コミュニケーションを図るやり方です。たまに見せる笑顔で高校生もほっとしますが、普段から厳しさが前面に出ています。名古屋工業高校の生徒さんにとっては、ホッケーそのものの技術を教えてもらえるわけですから、厳しい練習でも皆必死になってついて行っているようです。
【指導者派遣事業】
2010年 5月 12日