第5回コーチングセミナー2010

2010年 11月 24日

 第5回のメインゲストは、広島大学教授で理学療法士の浦辺幸夫先生と、湘南ベルマーレフットボールクラブのフットボールアカデミーディレクターの大森酉三郎氏でした。非常に贅沢なセミナーとなりました。

 浦辺先生は、全国でもトップクラスの理学療法士で、さまざまなスポーツをいろいろな角度から研究され、実際にチームのトレーナーも実践されています。今回は、若い選手が、大きなけがをする前にもともとの形態から、またトレーニングにおいて陥りがちな悪い癖を早急に発見し、可能な限りいい方向へ改善してやること。また、不幸にも大きなけがをしてしまった選手を、怪我をする前よりも強くして競技に復帰させること。そして何よりも、選手自身が自ら困難を乗り越えて行けるよう精神的にサポートしてあげることが自分たちの仕事のであると言われていました。一番重要なのは、指導者がそういう目で選手を育てられるかどうかを伝えることともおっしゃっていました。更に、ジュニア期の子供たちのトレーニングの考え方についても熱く語って頂きました。
 大森酉三郎氏は、自らの体験から、ジュニア期のスポーツ選手は、如何に社会性をもってスポーツを行うことができるかがキーポイントであると力説しました。チームは小さな社会であり、いかに技術が高くても、体力が勝っていても、ずる賢さをもっていても、精神的に社会性を持たなければ、最終的には大成はできない。サッカーのJリーグができて、各クラブにはユースチームの設置が義務付けられ、各クラブとも競って力を入れてきたが、結果的に、南アフリカにおけるサッカーの日本代表に選ばれている選手は、ほとんどが学校チームの選手であるという事実を示し、クラブチームのユース育成部門に対してまだやるべきことがあると自らを戒めるように我々に語ってくれました。
 次回は、それぞれ2コマ4時間ずつ講演をお願いします。あまりにも時間が足りませんでした。

▼第5回コーチングセミナー2010 セミナー様子
コーチングセミナー2010.5-1

コーチングセミナー2010.5-2

第4回コーチングセミナー2010

2010年 11月 3日

 第4回のメインゲストは、元ホッケー日本代表チームのトレーナーで、現在は冬季オリンピック競技で有名な北野建設スキー部のトレーナーを務められている梅本稔さんです。今年2月のバンクーバー、4年前のトリノ、8年前のソルトレイクシティーと3大会連続で日本のトップアスリートをサポートしてきました。。地元からは、元表示灯ホッケーチームトレーナーで、ベルリオアスリートクラブの代表、自身現役のトライアスリートという前田剛宏氏においで頂きました。
 ホッケーのトップチームを現場でサポートされてきた経験から、ホッケー競技で起こりやすい怪我を体験を踏まえながら、ご自身の資料に基づいて話していただきました。特に応急処置の基本であるRICEを一つずつ丁寧に説明してくれました。選手を預かるコーチにとって、怪我の対応が正しくできるのかどうかは、その一人の選手のみならず、チームや地域における競技の将来もになっていると言っても過言ではないとのこと。一通りの説明が終わると、今度はテーピングの実習。各自にテーピングテープ3種類とアンダーラップ、そしてテープをカットするはさみが配られ、二人ひと組でねん挫した時のテーピングのやり方をそれぞれ実習しました。

 コーチを目指す方は、必ずけがの応急処置について学んでおいてください!

▼第4回コーチングセミナー2010 セミナー様子
コーチングセミナー2010.4-1

コーチングセミナー2010.4-2

第3回コーチングセミナー2010

2010年 10月 1日

 第3回のメインゲストは、シドニーオリンピックで女子の決勝戦を吹いたことで有名なアンパイヤーの安枝和子さんです。もちろん、日本においては、ただ一人の経験者であり、その存在は非常に貴重であると思います。地元からは、同じ審判仲間でもあり、また、東海ブロックの審判長を務める大橋俊彦氏においで頂きました。
 一般的にチームと審判、指導者と審判は、何か一つの対立軸のようなもので話されることがあります。また、コーチに近い現場サイドでは、「絶対に審判だけはやらない」「文句ばかり言われて割に合わない」など、非常にネガティブに語られることが多かったと思います。しかし、彼女は審判は試合を構成する一つの必要な存在の一つに過ぎないが、常に公正さを保つために、またゲームがあれないようにコントロールするために、日頃からトレーニングを積んでいること。そして、決定的な瞬間に自分が判断をしなければならない責任を背負ってゲームに臨んでいること。そして、ゲームを構成する利害関係者が皆でいいゲームができるよう努力と協力をしていけば、ホッケーはさらに発展していくと力づよく訴えてくれました。非常に前向きではっきりと断言するその力が、彼女のアンパイヤとしての資質であることがよくわかりました。大方の高校や中学の指導者の方はすでに行っていることではありますが、ぜひともコーチの方も審判員の資格を取りましょう。審判員の資格を持てば、ルールがあやふやでなくはっきりとわかります。またゲーム中の審判の心理状況が概ねわかります。そういったことを理解したうえで、練習や試合に臨めば、間違いなくもっといい指導ができるはずです。審判員をないがしろにするスポーツは絶対に発展しません。そういった意味からも、今後の安枝さんの活躍から目が離せなと感じました。安枝さん、大橋さん、どうもありがとうございました。

▼第3回コーチングセミナー2010 セミナー様子
コーチングセミナー2010.3-1

コーチングセミナー2010.3-2

女子ホッケーの魅力

2010年 9月 27日

 先月、女子ホッケーワールドカップが行われました。ご案内のとおり、この大会はインターネットで全試合とも全世界に生中継されました。素晴らしいことです。この大会の決勝戦を見て素直に感じたことが「女子ホッケーは面白い」ということです。コスチュームの話ではありませんよ。また、もちろん、男子ホッケーがつまらないという意味合いの話でもありません。何が面白いかというと、(男子と比べてという表現だと語弊がありますが)判断する余裕があるということです。男子の試合においては、当然女子よりもスピードがあり、またパワーも大きいのでホッケーそのものはダイナミックさが違います。しかし、男子ホッケーの場合はスピードがある分、相手に早く接近してしまうこと、また接近するのもスピードがあるため、次のプレーで何をすべきかという判断をする暇がありません。ましてや、今はプレスディフェンス全盛の時代であり、パスコースも消されてしまうため、結局意図的に反則を取ってマイボールにすることが精いっぱいとなってしまっている状況が多く見られます。トップレベルにおいては、ボールが来る前に判断しているダイレクトプレーなどまた違った魅力もあると思いますが、女子ホッケーの場合は、ボールが来てからの判断で充分に間に合っているといえます。従って、相手の守備の状況を見ながら、または味方のフォワードの動きに合わせたパスを、しかもフェイントを掛けながら出すことができます。そのパスが見事に通ったりすると、そしれそれがゴールにつながったりすると、本当にきれいでホッケーらしさを実感できます。
 おそらく、今後は女子も男子並みのプレスとスピード化が進んでくると思いますが、ホッケーのルール、使っているフィールド、ゴールの大きさ、サークルの広さ、ボールの大きさ・重さ、スティックの長さ・形、フィールド上の選手の人数が同じである以上、男女の体格差が全く同じになるまでは、明らかにこの状況の違いは続くと思います。女子ホッケーは判断力の行使が容易な分、見ている方にも予測がつきやすい為、ホッケー自体が見やすく面白いという話でした。今まで男子ホッケーしかご覧になっていない方は、今後、そういった見方で女子ホッケーをご覧になっていただければ、内容がよくわかるのではないかと思います。同時に、男子の指導者は、選手の判断力をどのように育成していくかが問われる時代に入っていることを自覚しなければなりません。そして、いかにあの強烈なプレスを回避するのかを学ぶ必要があります。そうでなければ、ホッケーらしいホッケーができないまま試合が終わってしまうことになります。型にはめて形だけ覚えさせるやり方もありますが、それは判断力ではないことを十分に理解してから指導して下さい。判断のスピードを上げるためにどうしたらいいのか?こうしたらいいのではないかという意見をお待ちしています。

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第2回コーチングセミナー2010

2010年 9月 3日

 第2回のメインゲストは、日本ホッケー協会普及委員会で一貫指導体制のモデルとなるホッケーゴールドプランを立ち上げた寺本祐治氏です。ご存知の通り、同氏は山梨学院大学男子ホッケー部の監督であり、今年の日本リーグにおいて初優勝をされました。地元からは、寺本氏と同年代でもあり、前JOCジュニア育成コーチであった遠藤孝氏においで頂きました。
 今回は、指導者としての役割やホッケー協会におけるコーチシステムの位置づけを、ホッケーの歴史などを通じて触れて頂きました。前回の高橋氏のトップレベルの現状と比較すると、大きな意味合いで子供の年代から大人までを含めてコーチとは何をする人なのか?を示していただきました。コーチのシステムもよくわかりました。印象的であったのは、「学び方を学ぶ」ということ。寺本氏が師と仰ぐオーストラリアのマイケルクレイグ氏が、日本の選手を見て最初に一番重要なことを示した言葉とのこと。コーチに一方的に言われる受け身の姿勢でなく、自分自身がホッケーをどうやって学んでいくか?コーチがそれをどうやって導いていくのか?そして「何を学ぶか?」が本当に生きてくるというお話でした。このあたりは、いい方は違いますが、高橋氏の言っていることと通じていると感じました。おそらく受講生の皆さんもそう感じられたと思います。コーチとして本当に大事なことななんなのか?寺本さん、遠藤さん、ありがとうございました。

▼第2回コーチングセミナー2010 セミナー様子
コーチングセミナー2010.2-1
コーチングセミナー2010.2-2

第1回コーチングセミナー2010

2010年 7月 30日

 第1回にふさわしく、現在の男子日本代表チーム、通称”さむらいジャパン”のアシスタントコーチをしている高橋章さんをメインゲストとしてお迎えし、地元からは、愛知県ナショナルトレセンのメインセレクターである鈴木雅詞先生にお越しいただきました。
 高橋氏は、直前までさむらいジャパンの欧州遠征に約1か月行かれており、帰って早々でありましたが、まさに直近の日本代表チームの戦いぶりを生でお聞きすることができたことは、受講生の皆さんもさぞかし興味津々で聞かれたことと思います。
 今回のテーマは「世界のホッケーの戦術を学ぶ」ということをメインに、コーチとしての考え方や指導のポイントなどを織り交ぜながら、進めて頂きました。中でも印象的だったのは、オランダの女子の代表チームヘッドコーチのお話しでした。自分の話だけを一方的に強圧的に話した内容については、声が強ければ強いほどチームはうまくいかなくなっていったということ。ただ話しただけだと1日経ったら90%忘れてしまうこと。結局は選手にどうやって理解してもらえるかがチーム強化のポイントであることを示していただきました。技術的な話もたくさんあり、濃密な時間となりました。高橋さん、鈴木先生、ありがとうございました。

▼第1回コーチングセミナー2010 セミナー様子
コーチングセミナー2010.1-1
コーチングセミナー2010.1-2

「コーチ必見! LAOLA1.tv」【ホッケー普及プロジェクト】

2010年 7月 12日

 現在、イギリスのノッティンガムにおいて、女子のチャンピオンズトロフィーが開催されています。さくらジャパンは出場しておりませんが、インターネット上でテレビ放送がライブで、またビデオで見れますので、コーチの方、またはコーチを目指す方はぜひともご覧になって下さい。

▼LAOLA1.tv
http://www.laola1.tv/en/int/worldhockey/video/206–.html

 女子のホッケー界は、男子チームから有力なコーチが女子に移り、よりレベルアップが図られています。ニュージーランドは、昨シーズンよりオーストラリアからマーク・ヘイガー氏が招へいされ、オセアニアカップでオーストラリアを破るなどすでに素晴らしい結果を出しています。北京までのチームと違い、よりスキルフルで走るホッケーを展開しているようですね。北京銀メダルの中国は、男子を率いていたキム・サンユル氏を起用。20年にわたる男子での国際舞台での実績を女子の世界で発揮できるか?どのようなチームにしてくるか興味津々です。
 さて、今回のチャンピオンズトロフィーは、世界のベスト6(オランダ、アルゼンチン、ドイツ、中国、イギリス、ニュージーランド)が参加して行われますが、なんとあのオーストラリアが、初めて出場を逸したということも驚きのひとつですね。今回の放映はカメラの位置が横からの撮影のためフィールド全体は見渡すことができませんが、かなり高いところからのアングルとなり、一定エリアの様子は非常にわかりやすいです。また、男子レベルでの高速プレーではないので、その分接触するのが遅く、ボールを持っている選手が判断する時間があるため、何を考えてどういうプレーをしようとしたのかがわかります。また、そのエリア内でのプレスの仕方もはっきりとわかります。女子チームのコーチも必見ですが、16歳から22歳くらいまでの男子チームのコーチにもぜひご覧いただきたいですね。
 初日の試合を見ましたが、アンパイヤの冷静な判断と、毅然とした表情が試合を安定させ、よりプレーに集中できる環境を整えているかのようでした。アンパイヤの方にもご覧いただきたいですね。
 英語のサイトです。無料で見られるようですが、試合の映像が流れるまでに、必ずコマーシャルを見なければなりません。そこだけ飛ばすことはできないようですので、ご了承ください。

 NPO法人愛知スポーツ倶楽部の「育成システム・コーチングシステム研究開発事業委員会」は、今後もこのような形で、コーチに為になる情報をこのサイトの通じて発信してまいります。また、今年度、年間を通じたコーチングセミナー事業を行います。7月から、毎月1回程度行う予定です。細部はまたこのサイトを通じてお知らせいたしますので、ご期待下さい。

コーチングセミナープロジェクト2010 開催予定のお知らせ

2010年 6月 10日

 コーチングセミナーの概略が固まりましたので、以下の通りお知らせいたします。およそ月1回ペースで、テーマごとに講師をお招きして行いたいと思います。講師は( )内の方を候補としてお願いする予定です。

■コーチングセミナープロジェクト2010/開催予定
07月 現在の世界の戦術を学ぶ(日本代表チームスタッフ)
08月 コーチの役割と日本のシステムを学ぶ(日本協会普及委員)
09月 アンパイヤリングとアンパイヤーを学ぶ(オリンピックアンパイヤー)
10月 トレーナーの目線から選手の特徴とケア方法を学ぶ(プロフェッショナルアスレティックトレーナー)
11月 体力の基本とフィジカルトレーニングを学ぶ(スポーツ科学トレーニングセンター)
12月 個人技術育成方法を学ぶ(日本代表チームスタッフ)×2回シリーズ
01月 グループ、チーム育成方法を学ぶ(日本代表チームスタッフ)×2回シリーズ
02月 年齢に合わせた育成方法の基本を学ぶ(体育系大学教員)
03月 1年間のまとめ(愛知スポーツ倶楽部コーチングシステム育成システム研究開発事業委員会)

 あくまで現段階における概略で、講師陣については、予定を変更する場合がございますご了承のほどお願いいたします。
 参加をご希望される方は、6月30日までにまずメールにてご相談ください。

2009 フラーテルコーチングセミナー行なわれました!

2009年 3月 6日

 フラーテルコーチングセミナーが去る2月22日(日)に、ソシオ成岩スポーツクラブにて開催されました。今回の目的は、ジュニアホッケー選手の保護者を対象に、アシスタントコーチ養成のためのセミナーでした。第1部は『ルールの基本と指導方法について』を大橋俊彦氏(日本ホッケー協会技術委員会競技部員/東海ホッケー協会審判部長)が、第2部として『アシスタントコーチの役割と基本的な指導方法の考え方』についてを永井東一氏(日本ホッケー協会広報委員長/NPO法人愛知スポーツ倶楽部専務理事)が、それぞれ担当し行いました。 この後、2月28日(土)には、朝日丘スポーツクラブにて、3月1日(日)には、木曽川文化・スポーツクラブにおいて順次行われました。


2009 フラーテルコーチングセミナー開催!

2009年 2月 19日

1.コーチングセミナー
 ソシオ成岩スポーツクラブ
 2月22日(日)13:15~15:15 場所/ソシオ成岩スポーツクラブ クラブハウス

 朝日丘スポーツクラブ
 2月28日(土)10:00~12:00 場所/朝日丘スポーツクラブ クラブハウス

 木曽川文化・スポーツクラブ
 3月1日(日)10:00~12:00 場所/木曽川東小学校体育館

2.講義内容
 ホッケーのルールと指導上の注意
 (大橋俊彦/愛知ホッケー協会副理事長・日本ホッケー協会審判部員)
 ホッケーの指導の基本とアシスタントコーチの役割
 (永井東一/愛知スポーツ倶楽部専務理事・元日本代表監督)

3.今回の目的
 ジュニアホッケー選手のご父兄のためのアシスタントコーチ養成

主催:NPO法人愛知スポーツ倶楽部
主管:愛知ホッケー協会
協力:愛知県広域スポーツセンター
   NPO法人ソシオ成岩スポーツクラブ
   NPO法人朝日丘スポーツクラブ
   NPO法人木曽川文化・スポーツクラブ

2009コーチングセミナー pdf (2.01MB)